2009年7月 4日 (土)

第95回 日本消化器病学会から

Ⅰ. メタボリック・シンドローム(MS)と消化器がん
1.大腸がん(結腸がん・直腸がん)
  MSは胃がん・大腸がんの危険因子ではなかったが、空腹時血糖は、大腸がんではリスクが2倍高かった。
――MSの発症に関係のある「アディポネクチン」低値が、大腸がん発症に関係しているらしい。アディポネクチンの投与で大腸がんを抑制する(横浜市大 遠藤宏樹先生)

2.肝がん
 C型慢性肝炎から肝がんに内臓脂肪蓄積と、それに伴うインスリン抵抗性が関与しているらしい。(佐賀大)
――肝発がん抑制には、内臓脂肪の減少を目指した生活習慣が重要だと。

Ⅱ.ピロリ菌の除菌で胃がん死亡は今の1割に
 北大浅香正博教授は、「胃がんは生活習慣病ではなくピロリ菌による感染症」と強調し、胃がん対策も、これまでの間接バリウム中心の検診から
①ピロリ除菌
②内視鏡検診
 にする必要があると。
このシステム①②の導入で胃がんの死亡は10年以内に10分の1に減少するという。

日本医事新報 6月6日より

 

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新型インフルエンザの流行にそなえて

6月19日厚労省の指針
 原則として一般医療機関で新型インフルエンザ患者の外来診療を行う。これによって、どこの診療所、病院でも診療をうけられるようになった。

<具体的対応>

 ①患者に対して
 入院措置ではなく、外出を自粛し、自宅で療養を基本とする。入院が必要なら、どこの医療機関でも受けられる。

 ②妊婦、幼児、高齢者や慢性呼吸器疾患、糖尿病、慢性心疾患などの基礎疾患¹を有する人に対して
 早期から(感染を疑われた場合)、抗インフルエンザウイルス薬(タミフル、リレンザ)の投与を受けられる。
 重症化するおそれがある者については優先的にPCR検査(新型インフルエンザかどうかの検査)を実施し、入院治療を受けられる。
1:その他 人機能障害、免疫機能不全(ステロイド投与を受けている)などの人。(CDCを参考にしている。)

③学校などの集団²で複数の患者が確認されたときは、
 必要に応じて積極的疫学調査および公衆衛生対策を実施する(保健所)
2:社会福祉施設(特養、グループホームなど)

④医療従事者に対して
ウイルスに曝露されたときは、抗インフルエンザ薬の予防投与を受ける。感染の可能性が高くなければ、職務を継続できる。
 強毒性の鳥インフルエンザA(H5N1)を想定していたそなえから、随分ゆるやかになっている。

 新型インフルエンザワクチンは、7月中旬から製造開始の予定。それまでは季節性インフルエンザワクチンを生産している。例年の8割程度4000万人分ぐらいと思われるので、早めに(11月に入って直ぐに)接種をうけるようにすすめます。
知識として以前に米国で流行していた時に豚インフルエンザワクチンで、副作用(ギラン・バレー症候群)があったことも記しておきます。

 季節性インフルエンザの致死率0.1%(感染者の1000人に1人)、新型インフルエンザの致死率は徐々に高くなっている傾向だが、今のところ0.5%程度。参考までにスペインかぜ(1918年)では2%以上で、鳥インフルエンザA(H5N1)では60%と驚異的に高い。今の新型インフルエンザも、秋から冬に拡がるときには(第二波)、致死率がさらに高くなる可能性が強い。
死亡者も、子どもと20~40才代の成人で死因が二次性細菌性の肺炎ではなく、重症のウイルス正肺炎による呼吸不全で、治療が難しくなると予想される。
 抗インフルエンザ薬と、新型インフルエンザワクチンが治療の主役となる。
 エジプトでは鳥インフルエンザA(H5N1)も報告されており、今後もWHO、CDCの情報を注意深くみていく必要がありそうである。

 
 

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2009年6月15日 (月)

「Hp感染症」について思うこと

 日本ヘリコバクター学会は、ガイドライン(GL)で、「Hp(ヘリコバクター・ピロリ菌)感染症」という概念を提唱した。早期胃がん患者の除菌群で二次がんリスクを3分の1まで抑制することが明らかになった(Lancet誌)。日本ヘリコバクター学会の浅香正博理事長(北大教授)は、5000万人といわれるHp感染者の除菌治療を提唱している。
 Hp感染で必ず胃がんになるわけではないが、エビデンスとしてはっきりと胃がん発症が明らかになっている。予防医学の面からも、先ずHp菌の有無を確認する感染診断を受けて、除菌(1週間抗生剤服用)されることをすすめる。保険で治療をうけるのを待っていては、いつになるかわからないので、健康管理の面でも積極的にはじめたらいいと思うのだが。(慶友会)

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2009年5月26日 (火)

日本感染症学会の新型インフルエンザへの緊急提言

 メキシコやスペインの死亡原因から細菌性肺炎の併発に注意しなければならないという。少なくとも65才以上や慢性の呼吸器疾患、心疾患、糖尿病などのある人は、肺炎球菌ワクチン接種をするようにと警言している。また、予防的に抗ウイルス薬服用も検討すべきというが、これに対しては慶友会としては異論がある。少なくとも第二波の感染拡大に対して、切り札となる抗インフルエンザ薬を使えるように、また耐性のことも考慮すべきと考えるからである。

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2009年5月25日 (月)

新型インフルエンザで考えること

 今回の新型インフルエンザは、その症状が予期していた鳥インフルエンザH5N1型ウイルスではないこともあり、また季節性インフルエンザとほぼ同じ致死率0.1~0.2%で、感染性も同等。致死率60%のH5N1を想定して、WHOもフェーズを設定し、厚労省も行動計画をたてていたが、何か肩すかしをくった感じ。
 そもそも1957年以前に生まれた人に免疫がある可能性があるとか、1918年のスペイン風邪から毎年流行していたH1N1型で、たまたま1957年にアジア風邪(H2N2型)出現で、一時H1N1型は消滅していた。それが1977年にH1N1型として現在のAソ連型(H1N1型)として季節性インフルエンザとして感染者をだしていた。
 この度の新型インフルエンザは豚に起源があり、今までのH1N1型との亜型か、関連は薄いと表現されているが、これをもって今まで存在していなかった新型インフルエンザといっていいのか。
 専門家はじめWHOは、H1N1型亜型を免疫のない、今まで存在しなかった全く新しいと考えていた新型インフルエンザの考え方との相異をはっきりと説明して欲しい。鳥インフルエンザH5N1型ウイルスによる新型インフルエンザの発生は、プレパンデミック・ワクチン作製などWHOはじめ各国で考えていたはずである。その他H7N7、H7N2、H5N2、H9N2については想定内にあったが、少なくともまさか豚のH1N1型が新型インフルエンザと認定されるとは。
 この数年、新型インフルエンザの発症を危惧し、追いかけてきた慶友会としては、すっきりとは納得し得ない。鳥インフルエンザH5N1型のヒト―ヒト感染をこれからも注目していく。
 そもそも、小康期後の第2波で、突然変異し、強毒性にH1N1型、新型インフルエンザが化けるとでもいうのか。
 WHO、各国の対応も、厚労省の対応もこの新型インフルエンザに対しての対応が、一貫していなくちぐはぐに感じたのは慶友会だけだったのだろうか。 慶友会

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2009年5月21日 (木)

新型インフルエンザに対する私見

  1. 新型インフルエンザ発生は、次のステージ、WHOのフェーズ6に相当する。国内発生も第3段階の拡大期からまん延期と考える。
  2. 新型インフルエンザの致死率は0.4%といわれているが、メキシコを除くと0.1%で通常の季節性インフルエンザと同じ。
    タミフル、リレンザも効果があり、鳥インフルエンザH5N1ウイルスのヒト感染による致死率60%を対照に作られた国の行動計画は参考程度に。余り大げさでなくとも良い。
  3. 6月の梅雨期には、ウイルスの活動もにぶくなり、拡大の抑制に作用する。
  4. 今年秋から冬にかけては季節性インフルエンザと重なって、相当大きな感染拡大が予想される。さらに加えて、第2波による再燃期では致死率が一般に高くなる傾向がある。ウイルスの変異による病原性の変化も考えに入れておくのが良い。
  5. 新型インフルエンザ、季節性インフルエンザのワクチンは、出来るだけ受けるようにすること。現在では、最も効果的な予防法である。
  6. 新型インフルエンザと予想されていた鳥インフルエンザウイルスH5N1も世界各地で未だ感染者(致死率も高く)を出しているので、WHOからの情報を注意深く見守るようにしたい。

その他新型インフルエンザの予防・注意は慶友会HP、平井医師によるものを参考にしてください。 慶友会

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2009年5月14日 (木)

新型インフルエンザ 

 知識として有用であると思うので要約して紹介する。

  1. 新型インフルエンザが豚インフルエンザから発生することは予想できた
    1)国内では1977年、米国から輸入された豚が、豚インフルエンザ(H1N1型)に感染しているのが確認されている。1978年、神奈川県でA香港型(H3N2型)とH1N1型が豚から見つかっている。
    2)豚はインフルエンザウイルスの倉庫のようなもの。人間や鳥のウイルスは豚に感染する。しかも豚ウイルスは鳥ウイルスより人間に感染しやすい。
  2. 若い人に感染者や重傷者が多いのは?
    新型を含めてインフルエンザウイルスは動物の細胞で増える。その際、年老いた細胞より若い細胞の方が増殖力が強い可能性がある。その為かもしれないと考えられる。
     今回の流行で60才上の人は免疫があるらしいといわれるが、これは新型ウイルスがまだ高齢者の体内では増殖しきれていないだけかも知れない。高齢者が大丈夫という説には、はっきりした根拠はない。
  3. 感染者が検疫をすり抜けることはないか?
    感染しても症状が直ぐには出ない人もいるし、検疫所で効果を発揮している簡易キットも精度は6~7割といわれてる。感染者が検疫をすり抜ける可能性はあるし、国内で患者が発生することは防ぎきれない。それでも今すべきことは、水際での検疫と国内で発生した患者の周辺調査の2本柱をしっかりすること。
  4. 新型インフルエンザのこれからの動向は?
    5月中は散発的発生で、梅雨に入ると流行しにくくなり、いったん発生が終息したように思える。秋以降は、季節性インフルエンザの流行と重なって新型インフルエンザも変異し今以上に感染力を増してくるかもしれないので十分な警戒が必要である。

1.2.については、今まで余り言われていなかったことで、インフルエンザの専門家の根路銘先生の御意見として紹介した。



根路銘 国昭氏 生物資源研究所所長 
読売新聞 5月13日

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新型インフルエンザの不安

 8割強の人が新型インフルエンザの不安を感じている。医療体制で「ワクチン・タミフル・リレンザの供給が十分かどうか」、「診察や入院など受け入れ体制はどうなっているか」など。(日経5月13日)
 WHOの進藤奈邦子メディカル・オフィサーは、「新型インフルエンザは感染力が強く、世界的な流行が数年続く可能性がある」という。
 1918年のスペインかぜの時も2年は流行が続いた。幸い、抗インフルエンザ薬が効果があるので、これを上手に使っていけばいい。水際で食いとめるには限りがあり、これからは都道府県が中心になり、市町村が医療体制を整備していくことが大切である。
 発熱電話相談センター、各医療期間との電話・メールなどを利用し、必要なら治療薬の郵送を現実のものにする。
 新型インフルエンザの致死率はサイエンス誌によると0.4%と解析された。これは1957~58年のアジアかぜ(H2N2)の致死率0.5%に匹敵する。因みにこの時の死者数は200万人。
 中国でも感染者が確認された。これから冬を迎える南半球で感染の拡大が予想される。ロシア・南アフリカでの発生がみられれば、世界大流行(パンデミック)のフェーズ6になるだろう。今までの傾向をみると、一地区の流行は約2ヶ月(60日間)で沈静化している。
 
WHOの研究チームが米科学誌サイエンス電子版に発表したものを参考にした。

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2009年5月11日 (月)

WHOより

 豚肉およびその製品も全く心配なし。豚肉は70℃の熱を加えるだけで、どんなウイルスも不活性化される(害がなくなる)。今問題になっているのは、豚から人ではなく、A(H1N1型)ウイルスの人から人への感染で、この辺のことは誤解のないようにしましょう。
 WHOも、繰り返し繰り返し伝えている。

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禁煙はむつかしい

 Japan Medicine(5月8日)ファイザーが昨年実施した「日本全国のニコチン依存度チェック」によると、

  1. 喫煙者の4人に1人が禁煙に挑戦し、その7割が失敗している。
  2. ニコチン依存症と非ニコチン依存症では、禁煙成功率は、ニコチン依存症で23%、非ニコチン依存症で48%。依存症の人が禁煙するのは難しいことがはっきりした。
  3. 失敗の理由は
    「禁煙中のイライラに耐えられなかった」38%
    「ストレス解消したかった」22%
  4. 失敗した50%以上が1週間も禁煙できなかった。ニコチン離脱症状が失敗の原因。
  5. それでも、失敗した80%以上の人が再度「禁煙に挑戦したい」と答えている。

先ずは、つらくとも1週間を目標に禁煙する。その後は1日、1日と禁煙日数を増やしていきましょう。

がん発症の最強にして最大の敵は喫煙にあるのだから。

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